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【オキシトシン情報局】トピックス

監修:まさのメディカルクリニック 冨田雅乃
オキシトシントピックス

外部サイトで公開されているオキシトシンに関する情報や関連しそうな話題をご紹介しています。

セロトニンは腸から
オキシトシンとは直接関係ないのですがセロトニンも精神系の安定に大きく関与すると見られているホルモンでオキシトシンと類似性がありそうなので取り上げてみました。

不足しているとうつ病のリスクであったり、自閉症でもセロトニンの不調が要因と見る意見なども専門家から聴かれる状況です。リンク先の記事ではそのセロトニンが脳よりも腸からより多く出ているとする記事で、題材にしている書籍の紹介となっています。

そしてセロトニンを活発化するためにスパイス系のカレーを提案しています。市販のルーは小麦粉系なので違うそうです。興味がある方はアマゾンでなか見検索できますし、ご近所の図書館にあるか探してみてはいかがでしょうか。

現状、オキシトシンの処方は一般的にはスプレー式のものが多いと推測されますが監修の冨田先生は自閉症の息子さんでの効果はあまり芳しくなく、腸から吸収する錠剤タイプへ切り替えて症状の改善の手ごたえを感じられたようですから、オキシトシン治療も研究が進んで腸の方がより有効とハッキリすれば錠剤タイプの方が主流になっていくかもしれませんね。

■新刊JP:腸の冷えは万病の元? 腸内環境を整えるには

オキシトシンと受精率
本文はほとんど英語なのですがまとめ的な部分でマウスの精子にオキシトシンが添加された培養液を使用した実験では対照よりも優位な値を示したとする論文です。

精子を元気にする解釈で良いかと思いますが人に置き換えると不妊治療などへの期待となるでしょうか。実験段階ですのでずっと先の話でしょうしリンク先は医療ではなく畜産関連です。

現状は男女問わず「満たされる性行為」のサポートとしてオキシトシンが話題になることがある状態ではあります。直近では女性版バイアグラといわれる「フリバンセリン」が米政府機関では承認されたニュースが流れていましたがバイアグラと同じく副作用の注意が指摘されていますので正しい使用法が求められますので無理解のまま個人輸入での使用はおやめください。

オキシトシンは人体に元からあるホルモンのためこれらより高い安全性が言われていますが、まだ重篤な報告例が無いというだけで過剰摂取は推奨されませんし利用を検討する際は医師の指導のもと、ご利用ください。

■In vitroにおけるマウス精子の運動性および受精率に及ぼすオキシトシンの効果

オキシトシンと筋肉の関連性で若返り?
マウス実験でオキシトシン投与によって骨格筋が再生した報告がされています。いわゆるアンチエイジング・若返りの可能性ですね。老化の要因として筋幹細胞の阻害を挙げ、骨格筋が回復することで筋幹細胞へ作用する見方のようです。

ただリンク先のタイトルでは「【筋再生】愛があれば筋肉は衰えない」としていますが自然のふれあいなどによる体内オキシトシンの増加で回復効果まで見込めるかは印象としてどうかなと言う気もします。それでも一方で「筋肉の再生能の低下が、オキシトシンを産生できない雄のマウスで急速に進行することも明らかに」ともあり、「老け込まない」という意味なら意識的な他者との積極的な係わり合いを持つことで老け込まない方向に持っていけそうな気は感覚としてはありえそうでもありますよね。回復レベルとなるとやはり投与治療になるんじゃないかなと言う気もします。

加齢の方向ではオキシトシン投与によって更年期障害の改善といったメリットは監修の冨田先生は主張されていますがこういった身体的な側面でのオキシトシンの研究も進んでいければ良いですよね。

■ネイチャー:【筋再生】愛があれば筋肉は衰えない

オキシトシンと血圧の関連性
なかなか一般人では難解な論文の内容なのですが、まとめの部分を参考にさせていただく分には血清Na(余分なナトリウムを排泄させる機能を持つ)が上昇するとオキシトシンが刺激され、ナトリウムの排泄促進作用を有する見解のようです。

レニンと言う、多いと高血圧となるたんぱく質の分泌を抑制。アルドステロンと言う腎臓でナトリウムを吸収するステロイドホルモンの抑制をするとのことです。

■本態性高血圧症における水・電解質代謝異常とオキシトシンとの関連

オキシトシンと乳酸菌ロイテリの関連性
乳酸菌のロイテリがオキシトシンの分泌を促すという文献が見られたことから監修の冨田先生が関連性について調べていられたようで参考までにご報告いただいたのでご紹介いたします。

現段階の先生の見解としては「ロイテリが」ではなく「オキシトシンが乳酸菌ロイテリのほうを活発化させるのではないか」という考えだそうです。少なくともロイテリの摂取だけで体内のオキシトシンをオキシトシン治療と同レベルの状態にまでにすることは無理ではないかとのことです。

それでも総合的な健康面としてのオキシトシンとロイテリの併用による相乗効果の期待はありそうで、実例として「便秘気味だった自閉症患者さんの便秘解消」「更年期や閉経女性が自浄作用の高まりで膣の潤いや細菌性腟炎になりにくくなった」例が挙げられています。

ロイテリが増えることで「口腔内は歯肉炎・歯周病の予防」、「腸内は免疫力の向上、便通の改善」、「膣内は反復性の腟炎の予防」などの健康面で期待できる可能性はありそうです。

興味のある方は摂取も検討して良いかと思いますが薬ではなく補助的な立場に近い形でしょうから妄信せずに余裕のあるやり方が望ましいでしょうしロイテリに限らず何事も過剰な摂取はしないようにしましょう。

触れるケアとオキシトシン
看護の側面から触れるケアについて解説しておりオキシトシンの概要にも触れられています。
序盤は皮膚の構造と新たに皮膚は高周波も感じたり色の認識など新しい知見にも触れつつ、オキシトシンの部分では触れることによって分泌されると、このサイトでも挙げてきた内容が見られ、具体的な適切な触れ方まで解説しています。

看護的な視点では1秒に5cmほどのさすり方がリラックスを与えるとの事。1秒、20cmのさすり方の場合は覚醒効果との見解です。触れる圧力は400~800グラム程度が適切との事。

実践による有効事例では以下のようなことがあげられています。
・心拍数・血圧低下
・疼痛の改善
・睡眠の改善
・認知症患者と言語コミュニケーションが可能に
・集中治療の状態では鎮静剤投与の減少
・血糖値低下
・喘息症状の改善
・赤ちゃんの寝つきの改善

根本的な問題を取り除くわけではないですが、触れることで日々を穏やかに過ごしやすくしやすい印象はありますよね。日本人は恥ずかしがり屋や斜に構えがちでもありますので環境次第では触れる機会を増やしてみるのも一考する価値はありそうです。朝の挨拶だけではなくハイタッチも加えてみるなどやれるとことから検討してみてはいかがでしょうか。
■触れるケアの効果

オキシトシンによるケア能力の向上について
論文自体はオキシトシンが脳内でどのような動きをしているかを調べているものですが対象としたラットは育児が苦手な初産で、オキシトシンによって子供たちのケア能力が上がったことも示している論文です。

論文では左側の聴覚野がオキシトシンに反応しケア行動が生じる見解のようです。鼻や経口摂取ではオキシトシンは脳まで届かないと主張する人もいますので人に置き換えた場合、まだどうこう言える段階ではないと思いますが少子化が顕著である日本では育児疲れに対するサポートは強化しなくてはならない要素の一つです。

未だ「育児なんか出来て当たり前」なんて言い方をする人も散見されますが、より本能に近い生き方である動物でも育児放棄が見られるのですからくじけることが生じるのはなんら不思議ではありません。動物以上に複雑な社会形成を求められている人間ではよりリスクは高まるとも考えられます。環境によっては母親一人に丸投げで孤立しているということもありえるでしょう。

もし、くじけそうな場合は複雑な社会形成しているからこそ近しい人、行政、医療機関などいろいろな方に助けを求めてみてくださいね。オキシトシンは親側の視点での言及はまだみたことがありませんが愛着障害などへの利用も研究されていますし、広範囲でのストレス負荷の軽減にも言及されているものですので、興味があれば相談にのってくれる医師もいるでしょう。
■AASJ:オキシトシンの神経科学

オキシトシンの負の側面に関する記事
自国民や他国民がいる中でなんらかのピンチや状況を想定して、どう助けるか、見捨てるかなどの選択を求める臨床でオキシトシンを吸引した場合、より自国民を優遇する傾向があるといった民族主義的な傾向が高まるといった主張のようです。

とはいえ最終的には「科学的に優位な差はない」とするなど、何がいいたいのと言うのが正直なところで論調から汲み取るに最初からネガティヴな方向にもって行きたい形からスタートしていませんかと。

記事なんかであたかもオキシトシンが万能薬のような見出しに異を唱えるのであれば賛同も出来ますがこのような論調だとマイナス方向でのそれと同レベルでは思った次第です。

発表者の周りではオキシトシンが妄信的な話題で溢れてうんざりしていたのかもしれませんがより高い位置で発表できるようなの人であるのならばより、冷静かつ中立的に教えていただきたかったなと言う印象です。
■WIRED:「愛情ホルモン」オキシトシンのダークサイド

幼若期にオキシトシンの悪影響の可能性を示唆する論文
ラット実験においてストレスによってもオキシトシンの増加があるとの見解で幼若期にオキシトシンが増えると社交性や精神の安定など近年オキシトシンに期待されている効果と逆の傾向が見られることを示した論文です。

冨田先生に人の子供に置き換えた場合どのような見解か質問したところ現実問題として論文のラットの時期に相当するような年代に使用することは現状ではないそうです。先生がオキシトシンを自閉症患者さんに利用を検討する場合は中学生以上とのこと。

先生の自閉症患者さんなどでの治療では問題行動が深刻化しやすい傾向の改善や、社交性向上による将来に対する視野をいかに広げられるかといった要素を特に重要視されているようです。

現状、幼若期の人への投与は見られないようですから実生活においては治療と言うよりもネグレクトや愛着障害など子育てとしての接し方の参考として留意しておきたい論文の一つといった印象です。
■幼若期ストレスによる情動障害(PDF)

オキシトシンとその他のホルモンとの関連性に注目した論文
もとから体内にあるオキシトシンの生理的活動の側面での働きの説明から入り、授乳や射精など生殖面での関与も強いそうです。監修の富田先生も更年期障害や男性のEDなど性の悩みの側面からもオキシトシンは有効と見ています。

そして男性や妊娠していない女性のオキシトシンの働きとその他のホルモンの関連について注目している論文です。

日中は女性の方がオキシトシンが高く、夜中などでは男性の方が高い傾向データが公表されていました。古来なら男が日中の狩猟中にオキシトシンで穏やかに過ごしていいいわけないでしょうから、そういう名残なんでしょうか。ニートやキャリアウーマンを集めたデータなどではまた違った数値があるかもしれませんね。そのほか男性ホルモン・女性ホルモンといわれている成分の投与後のデータなども掲載されており、女性ホルモン内に含まれるエストラジオール投与後に男女共にオキシトシンの濃度の上昇が見られたことからエストロゲンがオキシトシンの増加に間接的ながら関与している可能性を述べています。
■オキシトシン分泌の日内変動並びに周期的変動に関する研究(PDF)

オキシトシンと表情の認識に注目した論文
脳の扁桃体と呼ばれる部位には顔の認識によってその人の識別や感情を読み取るのに重要な部分とされています。そして相手の感情を読み取る際に眼をよく注視する傾向があるそうですが、オキシトシンを投与することによって注視頻度の増加がするそうで表情認識の精度が上がることが確認されたテストも行われていて、特に「恐怖」の表情の識別精度が高まった結果があるようです。

あわせて善意的な行動(向社会的行動)の傾向として「恐怖」を正確に識別することが「性別・気分・共感」などの要素よりも貢献度が高いことも指摘されており、これまでどおり人間的な魅力を増すホルモンとして引き続き注目したいジャンルとなります。

ただし科学的な作用としては扁桃体へはむしろオキシトシンが抑制効果の指摘がされていたり、扁桃体でも「領域によって異なる」主張も見られるなどまだまだ研究段階であることも伺われます。
■表情認知とオキシトシンの関係から「絆」を考える(PDF)

オキシトシンと記憶の関連性に注目した論文
学会誌ファルマシアの一節にオキシトシンが記憶の分野でも関与する可能性を述べています。母乳などにもオキシトシンは含まれるわけですが、出産経験のあるラットの方が処女ラットよりも空間把握能力に優れる傾向があるそうです。独身時代方向音痴だったけど出産で改善したりするんでしょうかね?

記憶や学習に関与するといわれる海馬でのオキシトシンの作用では3時間以上持続するLTPの増強が確認されたとのこと。LTP(長期増強)とは神経伝達の動きを表す表現のようです。最終的にはアルツハイマーへの治療薬としての可能性を期待しています。
■下垂体後葉ホルモンオキシトシンによる長期記憶の向上(PDF)

オキシトシンとの関連性の研究にも期待してみたい「ハグビー」
たまたまテレビを見ていたら人型を模した(というかクリオネっぽい)抱き枕型のロボット「ハグビー」を紹介していました。

ハグビーに触れることでストレズ物質「コレチゾール」の低下が臨床によって確認されているようです。ハグビーとの触れ合いが対人コミュニケーションの代替になりえる見解のようでオキシトシンへの言及はないものの触れ合い行為でオキシトシンの活性化は常々指摘されていますし、オキシトシンとの関係性の研究も期待してみたいところです。

自閉症スペクトラムに限らず幼少期の活発行動に付きっきりになれないときなどの活用も想定されますが上手く行き過ぎて依存しかねない状況をうみださないようには気をつけないといけないかもしれませんね。
■ヴイストン株式会社:ハグビー

「触れる関わり」についての論文
会津大学短期大学、市川さんの主に自閉症スペクトラム児を対象とした「触れる関わり」についての論文で様々な文献などを引用しながらオキシトシンへの言及も見られます。

オキシトシン自体への内容と言うよりも発達への影響にオキシトシンの関与に注目し、薬剤投与ではなく、体内にあるオキシトシンの働きを促す方法として様々な「触れ方」に注目した内容のようです。
■会津短期大学部:保育者・支援者との“触れる関わり”が障がい児に及ぼす影響(PDF)

オキシトシン点鼻薬で食欲を抑える研究報告
ハーバード大学の研究グループがオキシトシン点鼻薬と偽薬摂取グループに分けた上で1時間後の食事量を比較したところオキシトシンを摂取したグループの方が122キロカロリー、脂肪が9g少なかったという研究報告。まだ男性グループのみの治験のため今後も長期的な研究を進めていくそうです。
■Medエッジ:「オキシトシン点鼻薬」が食欲を抑える!?

監修の富田先生のご子息だとダイエットまでの印象はないけれども自ら「腹八分の意識をし始めている印象」などの自主性などはオキシトシン投与後には感じているとのことです。

ホルモン療法士によるオキシトシンの言及(英語)
自身もオキシトシンを使用しているホルモン療法士のかたが対話形式で主にカップルの営みにオキシトシンの使用がより高いレベルで好影響をもたらすという色っぽいお話。バイアグラなんかは男性の機能的な要素での増強ですがオキシトシンは感覚での作用ですから性別問わず営みのクオリティを上げる主張のようです。ここでもトローチでの摂取は手軽さや即効性の言及があるので経口摂取でも効果が期待できる製法は増えてきているのかもしれません。

これまでオキシトシンとセックスライフは女性側の不感症や膣粘膜の回復などで言及されていましたが男性側にたった主張は貴重のようです。バイアグラなどの機能強化では感度を落とすとも言われますからオキシトシンの使用が現実的になってくれば両方の併用で本当のED治療となる日が来るかもしれません。

副作用の言及は重篤なものの指摘はなく「過剰摂取でコレチゾールの低下による疲労感」。また「嫉妬心が増える」という指摘もあるものの自身は感じたことがないとのこと。内服であれば安全性は高いとみているようです。注射などによる陣痛促進だとやはり慎重な利用のようですね。

自閉症のケースでの摂取目安は朝夜1日50iu(国際単位)X2と主張していますが監修冨田先生の見解では日本人であれば1日40~50iuで効果は期待できるとのことです。
■Dr. Thierry Hertoghe discusses oxytocin
人と犬が触れ合うことでオキシトシンの血中濃度が上がる研究の紹介記事
人気ブログ「カラパイア」にて人と犬が触れ合うことでオキシトシンの血中濃度が上がったり、仲の良い異なる動物間でも遊んだ後にオキシトシン濃度が上がる記事を紹介しています。猫好きと猫よりも犬好きと犬の方がオキシトシンの上昇率が高い傾向と言うのも興味深いですね。動物に興味のない人たちへの効果はあまり芳しくないようです。
■愛情ホルモン「オキシトシン」は犬と人間が触れ合うことで双方が増加することが判明(オーストラリア研究) : カラパイア
東京大学医学部付属病院などが自閉スペクトラム症を対象にしたオキシトシン経鼻スプレーの臨床試験モニターを募集
2015年11月(定員到達次第終了)まで自閉スペクトラム症を対象にしたオキシトシン経鼻スプレーの臨床試験モニターを募集しているそうです。期間は10~11週間、オキシトシンもしくはプラセボ(無害で効果のない成分)を1日2回吸引とのこと。詳細な参加条件は該当ホームページを参照ください。
■自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの臨床試験 | 東大精神科
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