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【オキシトシン情報局】オキシトシンと更年期

監修:まさのメディカルクリニック 冨田雅乃
オキシトシンと更年期

心に余裕をもたらす可能性のあるオキシトシンは更年期障害も改善する可能性

信頼ホルモン・愛情ホルモンなどとも呼ばれることもあるオキシトシンは自閉症治療以外にもカップルの絆の強化・社交性の向上・ストレスに強い体質・温厚な性格形成など日常の人間力の向上に魅力を感じさせてくれる様々な要素への効果の可能性が言及されています。

そのような中でオキシトシンを研究してきた冨田先生は更年期障害へも効果的な治療が行える可能性を見出しています。息子さんと共にオキシトシンを利用し、効果を確認していく中で更年期世代と先生が重なることで期せずして効果を実感することとなり研究を進めるようになっています。

北欧では更年期障害に関連した膣萎縮症の新しい治療としてオキシトシンを主成分とした製品が登場するなど更年期障害の治療においても進化の可能性が示されるなど、今後一層の選択の幅が広げられるかもしれません。

精神障害は未だ色眼鏡で見られることは少なくないかもしれませんし、年齢層が高まるほど甘えや怠慢と捉えてしまう方も増えてしまうかもしれません。しかしホルモンバランスの乱れから始まる更年期障害によってご自身の体はもとより精神も乱れて長年築いてきた周囲との関係も崩れるような事態を招いてしまったら非常に勿体無いことです。不安を感じるようでしたら医療機関へご相談ください。

閉経後とオキシトシン

閉経後、低エストロジェン状態になり(主要な女性ホルモンが少なくなり)膣粘膜は萎縮し、粘膜は薄く弾力を失いそして潤いがなくなって来ます。このような状態が違和感、痛み、かゆみ、更には腟炎を引き起こすこともしばしばです。これらの症状は女性にとってとても辛い出来事ですが、なかなか婦人科の門をくぐることが出来ず悩んでいらっしゃる女性も多いようです。

はっきり言って男性の医師には分かってもらえないことです。
このような閉経後の膣粘膜萎縮の治療は、エストロジェン補充療法の治療しかありませんでしたから、いざ治療を始めてみると、不正出血、外陰部の腫れ、乳房の痛みなど不愉快な副作用の出現で断念しなくてはならないこともしばしばでした。

しかし、オキシトシン投与によりこのような副作用なく膣粘膜の萎縮が改善し今までの屈辱的症状から解放されることがわかりました。オキシトシン投与はスウェーデンのPeptonicMedical社が開発中の膣剤ジェルも期待できますが、 現在、持続的効果があるオキシトシンBLA内服錠剤が適していると思われます。 他人に相談できない悩みだから、その悩みを理解して頂ける医師が身近にいらっしゃる場合はご相談されてみるのも一案です。

現状の更年期障害の治療法

・ホルモン補充療法HRT
更年期障害は主に女性ホルモンのエストロゲンの減少が要因として挙げられますのでエストロゲンを中心に患者さん個々にあったホルモンを注入していきます。

一時期、副作用としてガンのリスクの高さが上げられていましたが当初のデータは欧米人による不摂生の割合が高かった人などだったこともあり現在では治療を受けることで極端にガンへのリスクを跳ね上がることはなく高い報告数値でも1.4倍程度と見られています。死亡率にいたっては治療に併せてがん検診なども受ける形が多いため治療を受けたことによる死亡率の変化はほぼ見られていません。乳がんリスクとしては乳腺の病気の既往歴、高齢出産、出産経験がないなどのほうが高くなるとの指摘もあります。

一定の安全性は確保されているからこその治療法ではありますが、前述したように不正出血、外陰部の腫れ、乳房の痛みなどの深い症状が現れるケースなどもあるようです。

・漢方薬、抗うつ薬

ホルモン療法を希望しない・受けられないなどの理由から選択されるケースです。抗うつ薬は精神面での不安定さが強いケースなどに検討されます。まずはカウンセリングによる理解と状況把握が大事といえるでしょう。

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